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2025.08.01

Shopify Editions Summer’25の新機能についてご紹介!

Shopify Editions Summer ’25の新機能について

目次

1. Shopify Editionsとは

2.新しいテーマ基盤「Horizon」の紹介

3.AI機能の強化(SidekickとKnowledge Base)

4.SHOPアプリの進化

5.注文・B2B関連のアップデート

6.顧客データ活用とマーケティングの強化

7.ShopifyカタログとAIショッピングエージェントによる新たな可能性

8.ストア開設にお悩みのある方へ

1.Shopify Editionsとは

Shopify Editionsは、Shopifyが半年に一度開催する最新機能やアップデートの発表イベントです。日々アップデートが行われているShopifyですが、Editionsでは重要な機能強化や新サービスがまとめて紹介されます。

2025年5月21日に開催されたSummer ’25では、150以上ものアップデートが公開され、Shopifyはより進化したECプラットフォームとなりました。これら新機能を積極的に活用することで、ビジネスを次のステージへ導くことができるでしょう。

ぜひ継続的に進化するShopifyエコシステムを取り入れて、オンラインストアのさらなる成長と成功を目指してください。

2.新しいテーマ基盤「Horizon」の紹介

Summer ’25の目玉機能の一つが、新しいテーマデザイン基盤「Horizon」の登場です。HorizonはAIによるブロック自動生成や柔軟なレイアウト(カスタムセクション)に対応した革新的なストア構築フレームワークで、デザイナーやエンジニアがいなくてもノーコードで高いコンバージョン率を実現するオンラインストアを作成できます。

Horizonには「Tinker」や「Vessel」、「Fabric」など10種類のデザインプリセットが用意されており、公式テーマストアから無料でダウンロード可能です。自社のブランディングに合わせたテーマを選びつつ、従来よりも格段に自由度の高いデザインが実現できるでしょう。

特に注目すべきはAIを活用したテーマブロック生成機能です。キーワードを入力するだけでAIがオリジナルのテーマブロックを自動生成し、ブランドの個性をより効果的に表現できるようになりました。例えば「ナチュラルで高級感のある雰囲気」といったキーワードを指定すれば、それに沿ったデザイン要素を持つセクションが自動作成されるイメージです。

(現時点ではストアのデフォルト言語が英語の場合にのみ利用可能ですが、今後は日本語を含む多言語対応が進むことが期待されています。)

また、テーマエディター(管理画面でのデザイン編集ツール)の操作性も向上しました。各ブロック上にカーソルを合わせるとそのブロックの見た目をリアルタイムでプレビュー表示できるほか、ブロックやセクションをカテゴリ分けして管理したり、コピー&ペーストで使い回すことも可能になるなど、細かな改善が行われています。

日頃テーマエディターを使い込んでいる方ほど、これらのアップデートによりデザイン作業のスピードと精度が大幅に向上することを実感できるでしょう。

3.AI機能の強化(SidekickとKnowledge Base)

Shopifyは昨年に続き、ストア運営を支援するAI機能の強化にも力を入れています。中でも、Shopify専用AIアシスタントの「Sidekick」と、新登場の公式アプリ「Knowledge Base」は注目に値します。

Shopify AIアシスタント「Sidekick」の進化

ShopifyのAIアシスタントであるSidekickは、まさにストア運営の「相棒」と呼べる存在へと進化しました。公式には「単なる支援ツールから欠かせないビジネスパートナーへ」と謳われており、以下の強化ポイントが発表されています。

マルチステップ推論の強化:複雑な質問や課題に対して、段階的に推論して回答・提案できるようになりました。これにより「売上が低下した原因を分析し、改善策を提案する」といった高度な分析も可能です。

20言語への対応:ついに日本語を含む20もの言語でSidekickと対話できるようになりました。言語の壁を越えて、世界中のマーチャントがAIサポートを活用できます。

画像生成機能の追加:プロンプト(指示文)を入力するだけで、商品画像などをAIが自動生成してくれます。専門のデザイナーがいなくても、プロ品質のビジュアルコンテンツを手軽に作成可能です。

さらにSidekickは、ストア運営におけるさまざまな業務を幅広くサポートしてくれます。商品ページ用のコピー(説明文)作成、コレクション(商品カテゴリ)の整理、決済方法の設定など、ストア開設時に必要なタスクにも対応しており、声をかけるだけで必要な設定を手助けしてくれる心強い存在です。

日々の運営業務も、チャットボットのように質問するだけで在庫や売上データの分析顧客セグメントの自動作成商品説明文の生成といった作業をこなしてくれるため、時間と労力の大幅な削減につながります。まさにストア運営の「頭脳」として、今後ますます活躍してくれるでしょう。

新公式アプリ「Knowledge Base」の登場

Shopify Editions Summer ’25では、新たな公式アプリKnowledge Baseも発表されました。このアプリを利用すると、生成AI(チャットボットなど)向けのFAQデータを自動生成し、自社ブランドに関する質問にAIが答えやすくすることができます。

具体的には、ストアに登録したポリシー(例:返品ポリシー)や店舗情報をもとにAI読み取り可能な形式のFAQが自動で作られ、ChatGPTのようなAI経由でユーザーから「この商品は返品できますか?」と質問された場合でも、適切な回答が提供される仕組みです。

生成された回答は管理画面で自由に編集・カスタマイズでき、独自の質問項目を追加することも可能です。また、実際に顧客がAI経由でどんな質問をしているかを可視化できるため、ユーザーの関心やニーズを把握しつつ、商品説明や接客対応に反映させることもできます。

今後ますます増えるであろう「AIチャット経由のショッピング」に備えて、自社ブランドの情報発信を最適化できる頼もしいツールと言えるでしょう。

(※現時点ではKnowledge Baseアプリは英語のみの対応ですが、将来的な日本語対応にも期待です。)

4.SHOPアプリの進化

Shopifyが提供するモバイル購買アプリ「Shop」(Shopアプリ)の機能も、このSummer ’25で大きく強化されました。Shopアプリはエンドユーザー(顧客)向けのショッピングアプリですが、機能拡充によりマーチャント側にもメリットが生まれています。

レコメンド機能の高度化: Shopアプリ内ホームフィードのおすすめ商品表示がよりパーソナライズされ、一人ひとりの購入履歴や興味に基づいた精度の高い商品提案が可能になりました。これにより、リピート購入や関連商品の発見を促しやすくなります。

・ オンラインストアとの同期: マーチャントのオンラインストアで設定した商品詳細ページの内容(商品のカラーやバリアント選択肢など)が、そのままShopアプリ上でも反映されるようになりました。たとえば、オンラインストアでユーザーが色違いの商品を選べる場合、Shopアプリでも同様に色を選択できます。販売チャネル間でのユーザー体験の一貫性が向上しました。

・ お気に入り機能の拡充: ユーザー側の機能ですが、顧客がお気に入り登録した商品をコレクション(リスト)として整理・共有できるようになりました。お気に入りコレクションは第三者とシェアできるため、顧客が自分の欲しいものリストをSNS等で共有し、その投稿をきっかけに新たな顧客が流入するといった効果も期待できます。

Shopアプリの進化により、顧客エンゲージメントと購買体験がさらに向上します。マーチャントにとっては、自社の商品が適切にレコメンドされたり、ユーザー同士でシェアされる機会が増えることで、新規顧客の獲得や売上アップにつながる可能性があります。

まだShopアプリを活用していない店舗も、この機会にぜひ連携を検討してみると良いでしょう。

5.注文・B2B関連のアップデート

Summer ’25では、注文管理やB2B取引に関する機能強化も行われました。特にShopify Plus(エンタープライズ向けプラン)を利用しているマーチャントには朗報です。

最低・最高注文金額の設定機能

新たにリリースされた無料公式アプリ「Checkout Blocks」を活用することで、注文ごとの最低購入金額や最高購入金額の要件を設定できるようになりました。

対象はすべての顧客、または特定マーケット(B2B顧客など)に絞って適用することも可能です。これにより、一定金額以上購入した顧客にのみ特典を提供したり、逆に大量購入時には上限を設けて受注を制限するといった柔軟な販売戦略が可能になります。

従来、購入金額に関する制限を設けるにはテーマのカスタマイズやスクリプトの導入が必要でしたが、この機能追加によりノーコードで簡単に購入条件のコントロールが実現しました。特にB2B取引では「最低○○円から発注可」などの条件設定が重要になるため、大企業向けプランであるPlus限定機能として提供されています。

Plusプラン以外でも注文完了ページでの案内等には活用できますので、まずは無料アプリをインストールしてできる範囲から試してみるのも良いでしょう。

B2Bマーケット機能の拡張

Shopify Plusユーザー向けには、B2B(企業間取引)機能も強化されています。中でも、ひとつのストア内で複数の「B2Bマーケット」を作成できるようになった点は見逃せません。

例えば従来は国や大口顧客ごとに別ストアを用意したり、手動で価格を調整する必要がありましたが、今回のアップデートによりサブマーケットを複数作成し、市場ごとに通貨・テーマ・価格・在庫状況などをカスタマイズできるようになりました。これにより、単一のShopifyストアで国内向けD2C販売と海外法人向け卸売販売を並行して行う、といった高度な運用もシームレスに実現できます。

さらに、Shopify公式アナウンスによれば、Summer ’25では新たに9種類のアプリがB2B機能に対応したとのこと。これらのアプリを活用することで、見積もりや卸売専用機能などB2B特有のニーズにも柔軟に対応できるでしょう。

大口取引を行うマーチャントや卸販売を検討している企業にとって、Shopify Plus上でのB2Bエクスペリエンスが一段と向上するアップデートとなりました。

6.顧客データ活用とマーケティングの強化

既存のShopifyユーザーにとって嬉しいのが、顧客データの活用やマーケティング機能の強化です。Summer ’25では、データ分析やマーケ施策に役立ついくつかのアップデートが発表されました。

顧客セグメンテーション機能の改善

Shopifyの管理画面で顧客グループを絞り込む「セグメント」機能が強化され、より使いやすくなりました。

Shopify独自のクエリ言語であるShopifyQLを用いてセグメントを編集する際に、オートコンプリートによる入力支援キーボードショートカット日付フィルターの改善などが導入され、複雑な条件でも簡潔にセグメントを作成・編集できるようになっています。適切な顧客セグメントを作成することで、狙ったターゲット層にピンポイントでアプローチすることが可能になり、マーケティングの精度が飛躍的に高まります。

また、「そもそもShopifyQLでの編集はハードルが高い…」という方向けに、あらかじめ用意されたセグメントのテンプレートが利用可能になりました。よくある顧客層(リピーター、一定額以上購入者、カート放棄者 など)がテンプレートとして用意されており、選択するだけで簡単にセグメントを作成できます。テンプレートを起点にして細部をカスタマイズすれば、自社に最適な顧客グループをスピーディに定義できるでしょう。

「データ分析は苦手…」という方でも、テンプレート機能のおかげで顧客データに基づくマーケティング施策をすぐに始められるようになった点は大きなメリットです。

マーケティングオートメーションの利便性向上

既存のマーケティング施策関連では、メールやSNS広告などを自動化する「マーケティングオートメーション」機能について、テンプレート検索やフィルター機能の改善が行われました。これにより、自社の目的に合ったキャンペーンテンプレートやシナリオをより見つけやすくなっています。

例えば「新規顧客向けの歓迎メール」「リピート促進ディスカウント」など、探している施策のテンプレートをすばやく選び出せるため、マーケティング担当者の効率がアップします。

さらに、新しい「顧客アカウントページ」を自社独自のドメインで提供できるようになるアップデートもありました。これにより、顧客がログインして利用するマイページを自社ブランドのドメイン上で統一でき、ブランド体験の向上につながります。

細かな改善ではありますが、顧客との接点を強化しエンゲージメントを高める取り組みとして押さえておきたいポイントです。

7.ShopifyカタログとAIショッピングエージェントによる新たな可能性

Summer ’25では、AIを活用した新しいショッピング体験に繋がるプラットフォーム強化も発表されました。これは主に開発者や高度なマーケター向けの内容ですが、今後のEC体験を大きく変える可能性があるため、ぜひ把握しておきましょう。

Shopifyカタログ

近日提供予定とアナウンスされた「Shopify カタログ」は、Shopifyが持つ世界中のストアの商品データを横断検索できるようにするためのプラットフォームです。これを活用すると、開発者は数百万のShopifyストアの商品情報を検索・活用するアプリやAIエージェントを構築できるようになります。

Edition発表のデモでは、「オーストラリア旅行向けの日焼け止めを探している」というユーザーの質問に対し、対話型AIが世界中のShopify加盟店の商品データベース(=Shopifyカタログ)から最適な日焼け止め商品を見つけ出し、そのままカートに追加する……といった未来的なショッピング体験が披露されました。

これはShopifyプラットフォーム全体で商品情報を共有し合う、まさに小売の垣根を越えた新次元のサービスと言えます。

ストアフロントAIエージェント(Shopify Sidekick for Storefrontsとも呼称)

上記Shopifyカタログと連携する形で、ストア独自のAIショッピングエージェントを構築できる機能もリリースされました。

これは、自社ストアに訪れた顧客に対してチャットボットのように対応し、商品の検索からブランドに関する質問への回答カートへの商品追加チェックアウト(購入手続き)の開始までを自然な対話を通じてサポートしてくれるAIエージェントです。言わば、自社ECサイト専属のAIコンシェルジュを設置できるようになる機能であり、顧客は疑問を感じたらすぐチャットで質問し、AIから適切な回答や商品提案を得て、そのまま購入まで進めるようになります。

マーチャントにとっては、24時間休まず接客してくれる販売スタッフを雇ったようなものと言えるでしょう。現時点では開発者向けのリソース提供という位置付けですが、ノーコードで導入できる公式アプリ等が将来登場すれば、中小の事業者でも手軽に自社ストアへAIエージェントを組み込めるようになるかもしれません。

これらShopifyカタログとAIエージェントの登場は、Shopifyが「コマースの未来」に向けて大きく舵を切っていることを示しています。自社ストア内だけでなく、Shopifyというエコシステム全体のデータやAI技術を活用することで、これまでにないスケールと利便性で顧客体験を提供できる時代が目前に迫っています。

現時点では自社への直接的な影響がなくとも、今後の展開に注目しておく価値は十分にあるでしょう。

8.ストア開設にお悩みのある方へ

さて、いかがでしたでしょうか?今回の内容を通じて、Shopifyの最新動向について少しでも理解が深まったなら幸いです。

もちろん、皆さんがShopifyの知識や新機能を少しずつキャッチアップしていくことは、ご自身でストアを構築・運用していくうえでとても重要です。とはいえ、「日々の業務に追われて、ストア構築や新機能の活用に時間を割けない…!」という方も多いのではないでしょうか。

実際、多くの方がShopifyに詳しいプロフェッショナルに依頼することで、ストアの立ち上げや運用改善をスムーズに進めています。新機能の活用も含め、プロの力を借りて最大限にShopifyを活用するのも一つの手です。

ストア開設や運営に関するお悩み・ご相談がある方は、ぜひ下記の記事も参考にしてみてください。また、弊社ではShopify導入支援やカスタマイズ開発のサービスも提供しております。興味がございましたら、ぜひこちらのフォームからお気軽にお問い合わせください。

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